ステージ虱発 弐号

で、お前ら、何を「保守」したいのよ?

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解析 ダライ・ラマ14世(2) 高度な政治家

ダライ・ラマ法王は宗教家であると同時に政治家であり、発言は常に二つの立場を両立させねばならない。

この点を理解しないと法王の求める「高度な自治」の意味を理解出来ないだろう。ここでは「政治家ダライ・ラマ14世」としてファクターを整理したい。

「政治家ダライ・ラマ14世」を語るには、その恐るべきネットワーク力を、最初に上げなくてはならないだろう。

とにかく凄い。英国王室からハリウッドスター、人権団体と世界を股にかけるネットワークを保持しており、日本での認識とは訳が違う。

僕が特に驚嘆したのは、当ブログでしきりに取り上げているが、米大統領両候補に既に接触済みであることだ。

この政治センスは日本の政治家やジャーナリストも学んだ方が良いと思うけど(笑)これが、現政権やどちらかの候補に肩入れした、というなら大した話ではない。実現するかは抜きにして誰にでも思いつくことである。

マケインにもオバマにもコンタクトを求められ、接触しているのが凄いのだ。これで、どちらが大統領になろうと次期政権にパイプを持つことになるし、政権野党にも一定の影響力を持つことになる。

恐らく日本の政治家で法王と同等の世界的ネットワークを持つ者は一人もいないだろう。

日本としても政治家としてのダライ・ラマ14世に学ぶ点は多い。少なくとも、このネットワークには乗っておくのが「得」というものだ。中国の顔色を伺い、そのことを躊躇するのは莫大な機会損失であることを日本人は考えた方が良い。

そして法王は現実主義者でもある。宗教指導者として理想主義者でもあるのだが、政治家としてはリアリストな一面があるのだ。

ここで一つの問いを。
「チベットが完全独立するために必要なものは何でしょう?」

答を見る前に目を閉じ、少々、考えてもらいたい。簡単な答だ。ちょっと考えりゃ分かる。

そのことを法王は熟知している。
これが分からないと「高度な自治」要求の意味は理解出来ないだろう。



さて、答は出ただろうか?


勿体ぶらず、答を書こう。
自前の軍隊である。
しかも、人民解放軍に対抗出来る近代的軍隊である。
元々、ダライ・ラマ法王はチベットの近代化を考えておられた方である。そのことを熟知しているのだ。

日本の平和ボケの連中では、ピンと来ないかもしれないが、国家の独立に軍事力は必要不可欠だ。
政府があれば国家が独立していると考える非武装論など日本のお花畑サヨクの間でしか通じない非常識である。

一方で現在のチベットで一から国軍を単独で養成することは不可能に近いこともダライ・ラマ法王は理解されているはずだ。
そのためには欧米諸国の支援が必要なのも、ちょっと考えりゃ分かるだろう。

もし、法王が「チベット人よ、武器を持ち、独立のため戦え!」と言っていたら、どうだったか?

確実に言えるのは、ここまで欧米で支持が拡がらなかっただろうし、ノーベル平和賞も無かっただろう。
フリーチベットの声が世界に拡がることも無かっただろう。

実はダライ・ラマ法王は「非暴力」という手段で戦っている政治家でもあるのだ。

ただの穏健・温厚な平和主義の高僧ではない。

そして「高度な自治」の要求である。日本ではろくに法王の動向も報じないので勘違いされている方も多い。この「高度な自治」の要求はチベット人の間でも動揺を生んだし、実際に反発する急進派もいる。

が、欧米ではダライ・ラマ法王の認知度が異なる。すなわちチベットは中国に侵略された国、というのがノーベル平和賞の受賞で更に認知が拡がっているわけだ。

「私たちは独立ではなく自治の要求と譲歩しているのに、中国共産党は譲歩しないんですよ」というアピールになっているのだ。彼の提唱する非暴力の思想とも矛盾しない。

一方で、「高度な自治」とは「軍事・外交権は放棄するが残りはチベット人に委ねられるべきだ」という主張なので、実はかなり高めのハードルを中共にぶつけてギリギリ踏ん張っているとも言える。
何せ外交権の放棄といっても法王が世界を飛び回っているのは、思いっきり「外交」だからね(笑)
軍事権については前述した通り、現実的ではないのだ。

そして「自治」が成し遂げられたら新政権が樹立されたら自らは公職を辞することを表明している。

その後はチベットの民の意思を尊重する考えなのだ。
そのための一筋の道を作っておくのが自らの使命と考えているのだ。
これは、ある意味で台湾の李登輝元総統のスタンスに少し似ているかもしれない。

これらの複雑なファクターを抱えながらバランスを崩すことなく、かつ中共に揚げ足を取られぬよう思慮深く発言する、ダライ・ラマという存在に僕は敬意を感じずにはいられない。

僕が感嘆するのは、これらがダライ・ラマ14世という「個」が成し遂げている事実である(もちろん支持者の力もあるだろうが)

僕は日本人にはダライ・ラマ14世をもっと、よく知っておいて損は無いと思う。
僕とて、そんなに詳しいわけではない。ただダライ・ラマ14世という強力な「個」への興味は高まるばかりである。

「こんな戦い方もあるのか!」と新鮮な驚きを皆が感じるはずだ。

この項を閉じる前に中国側との対話への失望を表明したことに触れておきたい。一部では法王が弱気になっている、との観測もされている。厳しい実態を考えると無理も無い。ただし、僕の私感であるが、中国共産党に対する牽制の意味合いも含まれていると思っている。チベットには独立急進派も存在する。以前、開かれた全チベット人会議で法王は「主導しない」ことを明言しており、「こちらとの対話に応じ、譲歩しないと後は知りませんよ。」という含意があるのではないか、と指摘しておきたい。


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テーマ:チベット問題について - ジャンル:政治・経済

  1. 2010/11/04(木) 22:15:24|
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